世界文化遺産・食文化のご紹介

海外における食文化の世界無形遺産登録の動向

2012/10/15

新商品情報

1 現状
2010年11月、ケニアで開かれたユネスコ政府間委員会において、 世界無形文化遺産(世界無形遺産)として、新たに、
  • フランスの美食術
  • メキシコの伝統料理
  • 地中海料理(スペイン、イタリア、ギリシア、モロッコの共同提案) を含む51件が登録された。
2006年4月の世界無形文化遺産条約の発効以来、現在までに合計 229件が世界遺産として登録されている。
2 フランスの美食術
(1)これまでの経緯

フランスでは2006年末にフランス料理界を代表するシェフ等の グループが美食術の世界無形遺産登録を発案した。
その後、2008年にサルコジ大統領がパリ農業見本市を視察した 際、「フランスの美食術」の世界無形遺産登録をユネスコに申請する意 向を表明した。
関係団体やシェフの賛同を得た上で、2009年3月 にユネスコへ申請し、2010年11月に世界無形遺産登録が認めら れた。

(2)登録の内容
(ア)フランス美食術の定義
フランスの美食術は出産、結婚、誕生日等の生活における最も重 要な時を祝うための社会的慣習であるとし、フランスの食事をその 慣習や関連するノウハウ等と併せて、世界無形遺産として登録して いる(この場合の食事は、ノルマンディー料理であり、プロヴァン ス料理でもあり、ブルゴーニュ料理でもあり、さらには他国からの 影響を柔軟に受入れ、そこから生まれる新しい味も含まれうる。)。
(イ)国内における主な保護措置
フランスでは「フランスの美食術」を確実に保護し、次世代に継 承していくため、今後学校における教育、大学等における研究の強 化を図るとともに、味覚に対する青少年の意識の向上を目指すこと としている。
また、イベントやテレビ等の媒体を通じた広報活動を行い、社会 への認知度をさらに高める予定である。
さらに、「So French, So Good」と命名した輸出促進プランを作成 したところであり、この中では、例えば世界各国の大使館を中心と したフランス料理を認知してもらうイベントとして「世界フランス 美食祭」の開催を企画している。

3 メキシコの伝統料理
(1)これまでの経緯

2005年、メキシコは「メキシコの伝統料理」をユネスコの傑作宣 言プログラム(世界無形遺産の前身。2006年、無形文化遺産の保護 に関する条約の発効に伴い、現行のスキームへ移行。)への登録を申請。
料理が無形文化財として申請されたのは初めてのことであり、その結果 が注目されたが登録には至らなかった模様。その後、再申請し、201 0年11月、フランス美食術、地中海料理とともに登録。

(2)登録の内容
(ア)伝統料理の定義
7,000年前より代々口伝されている伝統が色濃く反映されてい る料理で、環境に調和した伝統農法により栽培された、特に、とう もろこし、マメ、唐辛子の3つを基本とした多様な国土に基づいた 多様な農産物を使用する料理。 本料理は、環境との共生、地域社会のつながり、自国のアイデン ティティー等において非常に大きな意味を持ち、誕生や死などの人 生の出来事、伝統的な祭礼、儀式などにおける核としての役割を果 たす。
(イ)国内における主な保護措置
・メキシコ、南米諸国、欧州が、伝統的な料理と農産物の保護、環境 との共生、持続的な発展などに関する宣言を発表。 ・伝統料理の保護のため、全国の専門家と学者との連携、さらには政 府、地方自治体、NGO、民間会社、公社、国際機関が連携を強 化。 ・伝統的な知識を若い世代や家族に伝承するため、料理人を中心とし た組織の立上げや、料理の教育やマーケティングなど様々な分野 を学ぶことができる場づくりを促進。 ・ミチョアカン州において伝統料理の保護モデルを確立し、この運営 管理手法等の講習を行い、他地域への波及を促進。 ・地域料理のアイデンティティー、レシピや固有の慣習を保護するた め、地域の食の調査研究を実施。

4 地中海料理
(1)これまでの経緯

2006年に、スペインを発案国としてスペイン・イタリア・ギリ シア・モロッコの4カ国が共同で世界無形遺産として登録を申請した ものの却下。
新たにイタリアを国家間の調整役とし、2008年に再 申請。2010年11月、フランス美食術、メキシコ伝統料理ととも に登録。

(2)登録の内容
(ア)地中海料理の定義
穀類、魚類、その保全・加工・消費に関わる風景から食事に至る 技術、知識、習慣及び伝統に基づく社会的慣習。魚介類、穀類、乳 製品、野菜、果物類等をバランス良くとり、油脂分は肉類を少量、 オリーブオイルを中心として摂取するもの。 本料理には、コミュニティの健康、生活の質、より良い生活に資 するもので、適量のワインを交えながら、ゆっくりとコミュニケー ションする食事スタイルを含む。 (イ)国内における主な保護措置
・4つの地域において、それぞれ、子ども達への食育プログラム、レ シピコンテストの開催、関連書籍の出版、フェスティバル、セミ ナーや討論会等を実施。

  • 地中海料理に関する作曲コンテストを実施。(スペイン)
  • 地中海料理協会が地中海料理のliving museumを創設。(イタリア)
  • 国立博物館とNGO等の円卓会議を開催。(イタリア)
  • 16カ国の学校の教師、生徒に対する啓発キャンペーンを実施。(イ タリア)
  • ユネスコによって第3回プラネット・テリトリィ国際フォーラムが 開催。無形文化財としての地中海料理の活動やワークショップも 併せて開催。(モロッコ) 。

日本の誇る和食・世界文化遺産

2012/10/15

和食・世界文化遺産

日本食文化・和食の世界文化遺産へ登録
(1)農林水産省 日本食文化の世界遺産化プロジェクト
我が国には、多様で豊富な旬の食材や食品、栄養バランスの取れた食事構成、食事と年中行事・人 生儀礼との密接な結びつきなどといった特徴を持つ素晴らしい食文化があり、諸外国からも高い評 価を受けています。
一方で、世界では自国の食に関する分野をユネスコの無形文化遺産として登録する動きがあり、フ ランス美食術、地中海料理、メキシコ、トルコの伝統料理が社会的慣習としてすでに登録されてお ります。
日本の食文化については、世界的に見ても特徴的であり、これが無形文化遺産と認められることは 世界の文化的多様性を豊かにすることともなり、非常に大きな意義を持ちます。
このようなことから、我が国においても日本食文化の無形文化遺産登録を目指し調査・検討を重 ね、平成24年3月にユネスコへ登録の提案を行いました。
今後は、ユネスコの検討・審査を経て、平成25年12月に可否が決定される予定です。
(2)プレスリリース 平成25年7月25日 農林水産省
「和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』」の開催について 農林水産省は、平成25年8月21日(水曜日)より、全国9ブロックにおいて「和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』」を開催しま す。 シンポジウムは公開です。カメラ撮影についても可能です。
1.概要 
農林水産省は、「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産への登録申請を きっかけに、私たち国民一人一人が「和食」文化について改めて認識を深め、次の世代に日本全国 の「和食」文化を維持・継承していくことの大切さについて考えることを目的として、全国9ブ ロックにおいてシンポジウムを開催します。
2. 参考資料 
ユネスコ無形文化遺産とは
  • 「無形文化遺産」とは、芸能や伝統工芸技術などの形のない文化であって、土地の歴 史や生活風習などと密接に関わっているもののこと。
  • ユネスコの「無形文化遺産保護条約」では、この無形文化遺産を保護し、相互に尊重 する機運を高めるため、登録制度を実施。
  • 2010年には、「フランスの美食術」などの食に関する無形文化遺産が登録。
<フランス人の美食>がユネスコの世界無形文化遺産に登 録。
人生の様々な節目に囲む食卓。料理のみならず、行事食にまつわる総合的な伝統文化が<フランス 人の美食>としてユネスコの世界無形文化遺産に登録されました。